日本小動物外科専門医のいる動物病院
尿管結石の他、先天的奇形、膀胱や前立腺の腫瘍、外傷、異物など様々な原因で尿管閉塞が起こります。
当院で遭遇した異物性肉芽腫によって尿管閉塞を起こした症例を紹介します。
雑種犬、6歳、避妊雌。
3日前より続く食欲不振、多飲多尿、尿漏れを主訴に来院されました。血液検査では高窒素血症が認められ、腹部超音波検査では左側腎盂の拡張、尿路造影検査では左側尿管の拡張が認められました。開腹手術により尿管拡張部位での腫瘤性病変が閉塞の原因と考えられ、腫瘤性病変を避けるように尿管を切断し断端を吻合しました。
病理検査にて閉塞を起こしていた腫瘤は肉芽腫性炎症と診断されました。手術後に高窒素血症は劇的に改善し、合併症もなく元気に過ごしています。この症例は海外の獣医学雑誌に論文として掲載されました(参考文献 PMID: 19887389)。