日本小動物外科専門医のいる動物病院
Mix猫、未避妊雌、6歳
3ヶ月前からの便秘、食欲・活動性低下、体重減少を主訴に来院、ホームドクターによって下剤の投与と定期的な摘便を行っていました。当院でも下剤(ラクツロース)による内科治療を1週間行ったが排便は認められませんでした。
X線画像から巨大結腸症と診断しました。CT検査にて骨盤腔内の巨大な腫瘤が認められ、超音波ガイド下での直腸検査から膣の腫瘍と診断しました。
術前の細胞診や組織診で確定診断が得られなかったことと、腫瘤が巨大であったため膣の引き抜きおよび反転(膣外陰部切除術と膣亜全摘出術の術式)が困難と判断し、骨盤腔内腫瘤へのアプローチのため両側恥骨坐骨骨切り術を行った。
その後、腫瘤を含んだ膣の全摘出を目的として卵巣子宮膣摘出術を行った。
腫瘤は病理学的に膣線維腫と診断された。
術後翌日より排便排尿と食欲の改善が認められ、手術前2.8kgの体重は術後4ヵ月で4.0kgに増加し、再発や転移は認められず現在は健康で活発な生活を送っています。