電話
03-5988-7888
FAX・時間外救急電話
03-5988-7887
MENU

排便困難をおこした骨盤腔内の膣線維腫を骨盤切開アプローチにより摘出したAちゃん

  1. 専門分野
  2. 泌尿・生殖器外科
  3. 外陰部・膣腫瘍
  4. 排便困難をおこした骨盤腔内の膣線維腫を骨盤切開アプローチにより摘出した猫 Aちゃん

患者紹介

Mix猫、未避妊雌、6歳
3ヶ月前からの便秘、食欲・活動性低下、体重減少を主訴に来院、ホームドクターによって下剤の投与と定期的な摘便を行っていました。当院でも下剤(ラクツロース)による内科治療を1週間行ったが排便は認められませんでした。

診断

X線画像から巨大結腸症と診断しました。CT検査にて骨盤腔内の巨大な腫瘤が認められ、超音波ガイド下での直腸検査から膣の腫瘍と診断しました。

  • X線検査
  • 腹部レントゲン画像、結腸径より巨大結腸症と診断
  • CT造影検査
  • 骨盤腔内の巨大な腫瘤が確認できる
  • 超音波検査
  • 超音波ガイド下にて直腸から腫瘤を触診し腫瘤が膣に存在していることがわかった

治療

術前の細胞診や組織診で確定診断が得られなかったことと、腫瘤が巨大であったため膣の引き抜きおよび反転(膣外陰部切除術と膣亜全摘出術の術式)が困難と判断し、骨盤腔内腫瘤へのアプローチのため両側恥骨坐骨骨切り術を行った。

  • 骨剪刀を用いた両側の恥骨坐骨の骨切り術の様子

その後、腫瘤を含んだ膣の全摘出を目的として卵巣子宮膣摘出術を行った。

  • 拡張した膣を確認した後、卵巣茎と膣-膣前庭結合部を結紮し卵巣子宮膣を摘出

腫瘤は病理学的に膣線維腫と診断された。

  • 摘出した卵巣子宮膣と膣内に存在した腫瘤

術後経過

術後翌日より排便排尿と食欲の改善が認められ、手術前2.8kgの体重は術後4ヵ月で4.0kgに増加し、再発や転移は認められず現在は健康で活発な生活を送っています。

  • 術後1週間のX線画像
  • 正常な結腸像が確認できる

関連リスト