日本小動物外科専門医のいる動物病院
ビーグル、13歳、未去勢雄
1週間前からの血尿、尿漏れを主訴に来院しました。腹部超音波検査により膀胱内腔を占拠する腫瘤を認め、前立腺への転移も疑われました。膀胱内にカテーテルを挿入した生検により移行上皮癌が疑われたため、外科手術により膀胱と前立腺の全摘出および尿管を包皮内に吻合する尿路変更術を実施しました。
この症例は前立腺でも腫瘍性病変がみられ、さらに膀胱付近のリンパ節(腰下リンパ節群)にも転移性病変が形成され、腫瘍のステージが高く長期的な生存は期待できないと思われましたが、術後は排尿機能も維持され、非ステロイド性抗炎症薬のピロキシカムを内服し11か月間頑張ってくれました。