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ペキニーズの椎間板疾患

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ペキニーズの椎間板疾患について

ダックスフンドやビーグルなどの軟骨異栄養性犬種に多い胸腰部椎間板ヘルニア(ハンセンI型)は、深部痛覚を失う前に脊髄減圧術を行えば97~98%で神経症状が改善します(PMID: 23216037)。
一方、パグやペキニーズの胸腰部椎間板疾患は、通常の脊髄減圧術単独では神経症状が改善しない可能性があります。パグの胸腰部椎間板疾患では脊椎関節突起の先天的な形成異常に関連する脊椎不安定症がある為、通常の脊髄減圧術に椎体固定を併用する必要があることを報告しています(PMID: 35577348)。当院ではペキニーズの胸腰部椎間板疾患にも脊椎関節突起の先天的形成異常による脊椎不安定症が関与することを疑い、脊髄造影ストレス撮影やCT造影検査により脊髄動的圧迫、術中の用手操作により脊椎不安定性を確認した患者には通常の脊髄減圧術と併せて椎体固定術を行なってきました。本疾患に対する画像検査法、治療法、良好な治療成績について2021年のヨーロッパ獣医外科学会(ECVS: European College of Veterinary Surgeons)で発表し、2023年に米国獣医師会の公式ジャーナルJournal of the American Veterinary Medical Association誌に掲載されました(PMID: 37406996)。

  • ペキニーズの3D CT画像。T10、T11、T12椎骨における後関節突起の形成異常が認められる(矢印)。
  • 脊髄造影検査(A)、脊髄造影ダイナミック検査(B)、術後X線検査(C)。Aの中立位では脊髄圧迫は認められないが、Bの伸展位では脊髄圧迫が明瞭に見える。脊椎不安定症の治療として脊椎固定を実施した(C) 。
  • 脊髄造影検査(A)、脊髄造影ダイナミック検査(B)、術後X線検査(C)。Aの中立位で認められる脊髄圧迫が、Bの伸展位で悪化している。脊椎不安定症の治療として脊椎固定を実施した(C) 。

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