日本小動物外科専門医のいる動物病院
頭蓋骨の中の脳実質の隙間を満たす脳脊髄液は脳室から脊髄へと流れています。脳脊髄液の流れが脳内で滞ると脳室が拡張し、脳実質が圧迫されて様々な症状が生じます。
先天性水頭症はチワワ、ポメラニアン、シーズー、ヨークシャーテリア、マルチーズ、パピヨン、プードル、ペキニーズ、ブルドッグ、ボストンテリアなどに発症します。脳腫瘍により後天性に水頭症が起こることがあります。
先天性水頭症の初期症状は躾がうまくできない、活気がないなど分かりにくいものですが、進行すると歩行障害、意識状態低下、失明、痙攣発作、昏睡などを起こすこともあります。
MRI検査により脳室の拡張を評価します。
初期には脳圧を下げる治療や、脳脊髄液の生成を抑える治療などを行います。内科療法で症状が改善しない患者では、脳室内の脳脊髄液を腹腔などに流すシャントを設置し脳実質を減圧します。