電話
03-5988-7888
FAX・時間外救急電話
03-5988-7887
MENU

椎間板変性に関連した椎体亜脱臼のMちゃん

患者紹介

トイプードル、12歳、避妊雌、体重3.3 kg
他院で実施したMRI検査により椎間板脊椎炎と診断、症状が悪化していることを主訴に来院されました。

  • T12-13、T13-L1、L1-2椎間で脊髄圧迫病変がみられるが、責任病変は確定できない

診断

神経学的検査で歩行不可能な両後肢の不全麻痺がみられ、胸腰部の脊髄障害が疑われました。X線検査でT12-13椎間の亜脱臼とT13-L1〜L4-5椎間の変形性脊椎症がありました。確定診断のため脊髄造影検査、CT検査を行いました。

  • X線検査
  • T12-13椎間の亜脱臼、T13-L1〜L4-5椎間の変形性脊椎症がある
  • 脊髄造影検査
  • T12-13椎間の亜脱臼と重度の硬膜外脊髄圧迫病変が認められる。MRI検査で見えたT13-L1、L1-2椎間の圧迫病変は軽度で責任病変ではないと確認できる
  • CT検査
  • T12-13椎間の硬膜外脊髄圧迫病変が認められる

治療

T12-13椎間の片側椎弓切除術とT12-13-L1椎間の椎体固定術を行いました。

術後経過

手術から1ヶ月後の検診時には歩行可能となり、飼い主様も喜ばれていました。


椎間板変性による椎体の不安定性が慢性化して椎体亜脱臼を起こしたと推測されます。他の動物病院で実施したMRI検査により複数の椎間板ヘルニア、椎間板脊椎炎と診断されたようですが、Mちゃんのような高齢犬では、椎間板線維輪の過形成や過去の椎間板疾患による圧迫病変が複数存在することがあります。MRI検査では、これら複数の病変のどれが責任病変なのかを特定することが難しく、このような場合には脊髄造影検査による診断が有効です。脊髄造影検査はくも膜下腔に造影剤を注入して撮影しますが、責任病変では局所的に脊髄内圧が高いために周囲の病変と比較して造影剤の流入が少なく、病変部位を区別できます。また、不安定性が関連している病変ではdynamic studyによる評価が必要なため、dynamic studyを唯一実施可能な脊髄造影検査を行う必要があります。
Mちゃんは椎体の不安定性が症状と関連していたため、脊髄減圧術に加えて椎体固定術を行いました。手術から1ヶ月経過した時点で歩行可能となり、順調に回復しています。

関連リスト