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横隔膜ヘルニアのMちゃん

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患者紹介

Mix猫、未避妊雌、生後2ヵ月、体重1.2㎏
呼吸困難を主訴にホームドクターで横隔膜ヘルニアと診断され、当院を紹介受診しました。。

診断

来院時は呼吸促拍(80回/分)でした。
X線検査、消化管造影検査にて胃や十二指腸などの腹腔内臓器の逸脱が認められ、横隔膜ヘルニアと診断しました。
 

  • X線画像
  • 胸腔内に消化管が逸脱している
  • 胃と十二指腸の逸脱が確認できる

治療

静脈点滴、酸素化などを実施し、状態の安定化を図って横隔膜ヘルニア整復術を行いました。
 
腹部正中切開によりアプローチし、横隔膜の大静脈孔において肝葉外側右葉、脾臓、胃、大網、十二指腸、空腸の逸脱が認められました。
腹腔側からの牽引による臓器の引き戻しは困難と判断したため、胸骨の一部を切開して胸腔内へアプローチし、腹腔側と胸腔側の双方よりヘルニア臓器を腹腔内へ還納する操作を実施しました。破裂した横隔膜は縫合糸で閉鎖しました。

  • 腹腔側から臓器を牽引
  • 胸腔内よりアプローチし、ヘルニア臓器を腹腔内へ還納
  • 破裂した横隔膜を縫合糸にて閉鎖

間欠的に胸腔内の空気を吸引出来るよう、閉鎖前に胸腔チューブを設置しました。

  • 術後X線画像

術後経過

胸腔チューブから空気や液体成分は採取されず、呼吸状態も良好だったため、手術翌日に胸腔チューブは抜去しました。
経過は良好で術後4日で退院しました。

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