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原発性肝臓腫瘍

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原発性肝臓腫瘍とは

犬の原発性肝臓腫瘍には肝細胞癌や胆管腺癌があります。
肝細胞癌は腫瘤の発生形態により、単一の腫瘤が単一の肝葉に限局している巨大型(Massive)、複数の結節が複数の肝葉に存在する結節型(Nodular)、あるいは全肝葉に結節がある瀰漫型(Diffuse)などに分類されます。
巨大型の腫瘍に対する外科的切除後の予後はよく、完全切除ができない症例でも局所再発による臨床症状が再燃するまで比較的長期間良好な状態を維持できるとの報告があります。
巨大型の腫瘍に比較して結節型や瀰漫型の腫瘍では完全切除が難しく、転移の可能性が高いため予後が悪いことが知られています。
肝臓の左区画(外側左葉、内側左葉、尾状葉乳頭突起)の切除は比較的安全にできます。
中央区画(方形葉、内側右葉)の切除には他の肝葉からの胆管および胆嚢を分離して温存する必要があり、右区画(外側右葉、尾状葉尾状突起)の切除には後大静脈付近の肝実質を分離する際に後大静脈の損傷を避ける必要があり比較的難しい手術です。

症例1

ミニチュアダックスフント、10歳、メス

  • 肝臓の腫大が確認される
  • 超音波検査:内側右葉(中央区画)の腫大が確認される
  • CT3相撮影、動脈相:内側右葉における腫瘍の浸潤が確認される
  • 肝葉切除術、他の肝葉からの胆管および胆嚢を分離し、腫瘍を切除する
  • リガクリップによる肝門部からの肝内側右葉切除
  • 術後レントゲン側方像、リガクリップによる切除が確認できる

症例2

シーズー、12歳齢、オス

  • 外側右葉および尾状葉尾状突起(右区画)に発生した肝細胞癌の切除
  • 後大静脈に注意して腫瘍を含む肝葉を分離しTAステープルにより切除する
  • 術後レントゲン側方像、後大静脈付近にTAステープルによる切除縁が確認できる