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三点骨盤骨切り術(Triple Pelvic Osteotomy: TPO)

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三点骨盤骨切り術とは

成長期にわずかでも股異形成の臨床症状を持つ患者の多くは、将来、変形性関節症による症状に悩まされます。
三点骨盤骨切り術(TPO)は成長期に股異形成の臨床症状を示す患者のうち、変形性関節症の併発がなく、股関節の形態は正常で合致性が損なわれていない場合に適用できる治療法です。患者の多くは1歳以上になると変形性関節症を発症し始めるため、主に7~12ヵ月齢の成長後期に用い、股異形成の素因を持つ患者の症状を早期にとらえ、股関節が変形性関節症を発症する前に実施する必要があります。両側性の股異形成の症例には約1ヵ月後に対側肢の手術を実施します。

診断

股関節のゆるみと正常な合致性、矯正角度をオルトラニテスト(Ortolani test)により評価します。この治療法を受けるためには、臨床症状がわずかに出ている成長期に適切な診断をする必要があります。TPOはレントゲン検査で重度の変形性関節症を示す患者には適応しません。

治療

骨盤の三カ所を切り、寛骨臼を腹側方向に回転させ股関節の亜脱臼が生じない角度に矯正して専用のインプラントで固定し、股関節の反復的な亜脱臼を防ぐことで変形性関節症の発現を予防する効果があります。

  • TPO専用のSlocumプレート装着後

予後

TPOに適切な基準を満たした患者の約80~90%で術後に臨床症状の改善が見込まれます。

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