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胸管結紮術と乳び槽切除術(Thoracic duct ligation & Cisterna chyli ablation)を実施したAちゃん

  1. 専門分野
  2. 呼吸・循環器外科
  3. 乳び胸
  4. 胸管結紮と乳び槽切除術を実施したウィペット Aちゃん

患者紹介

ウィペット、避妊雌、3歳、体重11.0kg
前日からの嘔吐と頻呼吸を主訴に来院しました。

診断

  • X線検査

胸水の性状検査や心臓エコー検査などから、特発性乳び胸と診断しました。
定期的な胸水抜去や食事療法では胸水貯留に改善がみられなかったため、外科治療を行いました。

治療1

術前にメチレンブルーを用いてリンパ管造影を行い、胸管を可視化して胸管結紮術と乳び槽切除術を実施しました。

  • 可視化した胸管が見える
  • 術後リンパ管造影X線検査
  • 乳び槽切除術実施部より造影剤の腹腔内漏出が認められ、胸管への流入はない

術後1週間、乳び胸水が再発し、再度リンパ管造影を実施しました。
残存する胸管の分枝の再生と前胸部のリンパ管拡張が認められました。

  • 術後1週間のX線検査

治療2

残存する胸管領域をリガクリップにて可能な限り結紮した後、デンバーシャントチューブによる能動的胸腔腹腔シャント術を行いました。

  • デンバーシャント(Denver shunt)
  • 外腹斜筋下に挿入したポンプチャンバーと胸腔側のチューブ

再手術後の経過は順調で乳び胸は改善し、ポンプ処置も必要なく経過しましたが、6年後にデンバーシャントが感染し除去しました。
除去後1 年半から胸水の再貯留が認められ、定期的に胸水抜去をしたが改善せず、除去後2年で心嚢膜部分切除術、胸腔内大網固定術を行いました。

治療3

  • 胸腔内に大網を挿入する

乳び胸の再発を起こしましたが、デンバーシャントによる積極的な治療が功を奏し、治療開始後8年間良好に生活しました。
この方法による治療成績や合併症をまとめた論文が獣医麻酔外科学雑誌に掲載され、その有効性が評価されました。

論文タイトル:胸管結紮術と乳び槽切除術により再発がみられた乳び胸に対して能動的胸腔腹腔シャント装置(Denver Shunt)を使用し長期管理した犬の1例

 

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