日本小動物外科専門医のいる動物病院
トイ・プードル、13歳、避妊雌、体重2.6kg
肩関節脱臼の手術を目的に紹介来院しましたが、移動時に興奮し病院到着時には呼吸困難と熱中症に陥っていました。緊急的に酸素吸入、アイシングなどを行い安定化させました。カフテスト陽性、吸気時の喘鳴音、X線画像などから、気管虚脱による呼吸困難と考えられました。
普段から興奮時に呼吸が苦しくなることを繰り返すなど症状が重度だったため、気管外プロテーゼを用いた外科的な治療を行うこととなりました。
Sちゃんに適用した治療法は、2019年Veterinary Surgery誌に掲載されたAMC末松どうぶつ病院の末松正弘先生の論文を参考にした術式です。
術後は呼吸状態をモニタリングし、合併症は見られませんでした。退院時には咳や呼吸困難などはなく、また肩関節脱臼が認められた患肢をよく使用していました。
手術から1ヵ月後の歩行の様子です。