日本小動物外科専門医のいる動物病院
トイプードル、推定8-9歳、避妊雌
他院にて黄疸、胆汁性腹水、膵炎と診断され紹介来院しました。
胆嚢内および腹腔内に胆石あるいは胆泥塊と思われる高CT値の構造物が散在していました。
胆嚢破裂と診断し緊急開腹手術を行いました。
腹腔内は黄染し胆嚢から逸脱した複数の胆泥が散在していました。
胆嚢破裂部位からシリンジを挿入し総胆管をフラッシュしました。十分な疎通性が確認されたため、総胆管のカテーテル設置は行いませんでした。
胆嚢管肝管吻合部より近位で胆嚢切除を行いました。病理組織学的に慢性胆嚢炎と診断されました。
他の腹腔内臓器に異常は認められず、肝生検および腹腔内持続吸引ドレーン(J-Vac system)を設置し手術を終えました。
腹水に細菌感染は認められず、術後4日目にはドレーンを抜去、7日目に良好な一般状態で退院しました。
現在手術より1年以上が経過していますが元気に生活しています。