日本小動物外科専門医のいる動物病院
ミニチュアダックスフンド、14歳、去勢雄、体重4.6kg
1週間前からの軟便、3日前からの食欲不振・腹部痛・腹水貯留が認められ、精査のために紹介受診されました。
身体検査で腹部痛と黄疸があり、血液検査で高ビリルビン血症が認められました。
腹水検査で胆汁が腹腔内に漏出していることを確認しました。
胆嚢破裂と診断し、緊急開腹手術を行いました。
腹腔内臓器は黄染し、胆嚢から漏れ出た胆汁・胆泥が腹腔内に散在していました。
破裂部位を探索すると、実際に破れていたのは胆嚢管でした。
破裂部位よりカテーテルを挿入して総胆管の疎通性を確認し、破裂部位を縫合した後、縫合部より近位で胆嚢切除を行いました。
肝生検と腹腔内持続吸引ドレーンの設置後に手術を終えました。
切除した胆嚢は病理組織検査で慢性胆嚢炎と診断、肝臓は閉塞性黄疸と診断されました。
術後2日目より食欲が改善し、8日目に退院しました。
手術から2週間後の抜糸時には元気な姿で来院してくれました。