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パグの胸腰部椎間板疾患

パグの胸腰部椎間板疾患について

 胸腰部椎間板ヘルニアの患者は深部痛覚を失う前に外科専門医による手術を行なえば、97~98%の患者で神経学的な改善が得られ歩行可能となります。(Aikawa T. J Am Vet Med Assoc 2012、PMID: 23216037
 一方、パグの胸部椎間板疾患ではダックスフントなどに見られる典型的な椎間板の逸脱(ハンセンI型椎間板ヘルニア)の治療に用いる脊髄減圧術のみでは治療後に脊髄障害が残ってしまう可能性があります(Fisher SC. J Am Vet Med Assoc 2013)。この原因としてパグの椎間板疾患は通常の椎間板ヘルニアとは異なり、椎間板の突出(ハンセンII型ヘルニア)と同時に脊椎関節突起の低形成や無形成などの先天的な形成異常から生じる椎体の不安定症が関与していることが近年の報告で明らかとなってきました。このような症例では通常の減圧術を行うことで椎体の不安定性が悪化する可能性もあります。
 かねてから当院ではパグの椎間板疾患を診断する際に脊髄造影ストレス撮影や造影CT検査を行い、脊髄動的圧迫や関節突起の形成異常を確認した患者には通常の脊髄減圧術に併せて椎体固定術を行ってきました。椎体固定を行った当院の患者を追跡調査したところ、過去の報告と比較して良好な神経学的改善が得られていることがわかりました。
 本疾患の画像検査及び治療成績について、現在コーネル大学(アメリカ)神経科の専門医と共同研究を行っており、2020年ヨーロッパ獣医外科学会(ECVS: European College of Veterinary Surgeons)での発表および論文化に向けて準備を進めています。
 

  • (T10-11-12後関節突起の形成異常)
  • 正常な関節突起
  • パグの椎体固定

胸腰部椎間板疾患を治療したパグのMちゃん