日本小動物外科専門医のいる動物病院
トイプードル、8歳、去勢雄、体重7.1㎏
2週間前より認められる右後肢跛行を主訴に来院しました。
身体検査および神経学的検査では異常はありませんでした。
右後肢は完全挙上しており、脛骨圧迫試験および脛骨前方引き出し試験は陰性、脛骨前方推進時の疼痛が顕著に認められました。左後肢はいずれも正常でした。
両後肢で左右ともにグレード1の膝蓋骨内方脱臼(MPL)がありました。
X線検査では右膝関節にfat pad signが認められ、脛骨の前方変位が確認できました。
MPLと前十字靭帯断裂(CrCLR)を同時に治療するTPLO変法を行いました。
完全断裂していた前十字靭帯と損傷していた内側半月板を除去しました。続いて滑車溝形成術を行い、専用の鋸で脛骨を骨切り後、脛骨遠位の位置や角度を矯正した状態でTPLOプレートにより固定しました。
入院中はアイシングを行い、術後4日目には術部の腫れもなくなり退院しました。
術後7ヵ月では跛行もなく、減量にも成功し元気に走り回っています。