日本小動物外科専門医のいる動物病院
Keyword:門脈体循環シャント、単一性肝外シャント、門脈圧測定、アメロイドリング
シーズー、2歳、去勢雄
徘徊を主訴に受診されました。
意識レベル、知性・行動、姿勢、脳神経などに異常はありませんでした。
血液生化学検査にて、肝酵素、アンモニアおよび総胆汁酸(食前食後共に)の高値を認めました。
X線検査では小肝症を認めました。
CT検査では単一性肝外シャント(脾静脈ー奇静脈シャント)を認めました。
シャント血管を確保後、空腸静脈を介した門脈圧測定を行い、シャント血管の一時的な閉鎖による門脈圧の顕著な上昇を認めなかったため、アメロイドリング(径5.0mm)を装着しました。
痙攣、低血糖、腹水および低血圧などの合併症は認められず、5日後に退院しました。
術後3カ月検診時の肝酵素、アンモニアおよび総胆汁酸は正常であり、元気に過ごしています。