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総鞘膜グラフト術(Grafting Tunica Vaginalis Communis)

  1. 専門分野
  2. 体表外科
  3. 会陰ヘルニア
  4. 総鞘膜グラフト術

精巣を被覆する総鞘膜を会陰部に移植して骨盤隔膜を再建する方法です。
内閉鎖筋転位術後の再発で内閉鎖筋が利用できない症例や内閉鎖筋が菲薄化している症例で、未去勢犬または幼齢期に去勢手術を受けていない症例などに適用します。
自己組織を利用するためメッシュなどの人工のインプラントに比較して生体の異物反応が起こらないメリットがあります。

症例

ミニチュアダックスフンド、12歳、去勢雄

  • 過去に内閉鎖筋転位術による会陰ヘルニア手術および去勢を受けている。 会陰ヘルニアの再発を疑い紹介受診。
  • 精巣を取り囲んでいる総鞘膜を骨盤腔を経て会陰部に牽引する
  • 嚢状になっている総鞘膜を広げ、ヘルニア部位を被覆して骨盤隔膜構成筋に縫合した

他にも、人工素材による整復半腱様筋転位術結腸固定・膀胱固定内閉鎖筋転位術などの術式があります。

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