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肩関節内方脱臼を脱臼制動ピンで治療し、長期経過良好なトイプードル しずちゃん

  1. 専門分野
  2. 骨関節外科
  3. 前肢の関節疾患
  4. 肩関節脱臼
  5. 肩関節内方脱臼を脱臼制動ピンで治療し、長期経過良好なトイプードル しずちゃん

患者紹介

1歳、トイプードル、避妊雌、体重3.4 kg
2ヶ月前に自宅内で走り回っているときに受傷し、かかりつけの動物病院で外固定治療(包帯)をしていましたが、3回脱臼を繰り返していたため当院を紹介受診されました。

診断

肩関節内方脱臼が認められました。関節窩形成不全や上腕骨頭の変形は認められませんでした。

  • 右前肢を完全に挙上しています
  • X線検査

外科治療

脱臼制動ピン(antiluxation pin)にて治療しました。

  • 術後X線検査

術後経過

  • 術後3日目

術後翌日より患肢の接地がみられ、前肢を持ち上げないようにリハビリを開始しています。

  • 術後2ヶ月

跛行はほとんど見られず、体重もしっかり乗せて歩いています。

  • 術後1年

外を元気いっぱいに走っています。

  • 術後6年

術後6年目の検診時も元気いっぱいでした

  • 術後8年

まもなく9歳を迎えるしずちゃん。今年も跛行なく元気に歩く様子をみせてくれました。

専門医からのコメント

しずちゃんは若齢時に軽度な外傷で発症したことから、もともと肩関節に不安定性や変形があった可能性がありますが、X線検査では関節の構造は比較的良好に保たれていました。
脱臼制動ピンの治療を行うためには、脱臼の方向や変形性関節症の程度などいくつかの条件があり、しずちゃんは手術適応と判断しました。
3回の再脱臼にもかかわらず、術後早期に患肢に負重し、手術から8年経ちましたが1度も再脱臼なく跛行症状もありません。
肩関節内方脱臼の外科治療は様々な方法がありますが、脱臼制動ピンは手術時間が短く(10〜20分程度)、術式はシンプルで低侵襲、術後の運動制限がほとんど必要ないなどのメリットがあり、非常に画期的な方法です。
侵襲性の高い上腕二頭筋腱転位術や肩関節固定術を実施する前に、本法を検討してみる価値があるかもしれません。

※一部画像は飼い主様よりご提供いただきました。感謝申し上げます。

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