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胸腰部椎間板ヘルニアの手術をしたココちゃん

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  4. 胸腰部椎間板ヘルニアの手術をしたミニチュアダックスフンド ココちゃん

患者紹介

ミニチュアダックスフンド、7歳、去勢雄、体重4.7kg
1週間前からの進行性両後肢麻痺を主訴に来院されました。

診断

  • 歩様検査
  • 右後肢と尾は反射で動いており、随意運動はありませんでした
  • 神経学的検査

両後肢は完全に麻痺し、前肢を使って歩いていました。
胸腰部に脊椎痛がありました。
両後肢の姿勢反応は消失、膝蓋腱反射と屈曲反射は正常でした。両前肢の神経学的異常はありませんでした。
深部痛覚は両後肢、尾のすべてにおいて消失していました。

  • T13-L1椎間レベルの脊柱管内に石灰化した椎間板と思われる陰影を認める

これらの検査から胸腰部脊髄障害のグレード5(最も重症度が高い状態)と評価しました。
鑑別診断のため、脊髄造影検査、脊髄造影CT検査を実施しました。

  • 脊髄造影検査
  • T13-L1において椎間板ヘルニアによる重度の脊髄圧迫が確認される
  • 脊髄造影CT検査

治療

T13-L1椎間に対する左側の片側椎弓切除術と、胸腰部椎間板ヘルニアの好発部位の5箇所に対して予防的造窓術を行いました。

術後経過

術後2日目から深部痛覚の改善が認められ、6日目からは排尿介助が必要なくなりました。
術後10日目の退院時には、飼い主さんに向かって大きく尻尾を振りながら元気に走っていました。後肢の動きは見られませんでしたが、自宅でのリハビリテーションで改善が見込まれます。

  • 術後1ヵ月

健診のため来院されました。後肢のふらつきはありますが、元気に歩いています。尿失禁や便失禁もありません。滑りにくい床や段差のない安全な環境での歩行練習で更なる改善が期待できます。

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