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15歳で胸腰部椎間板ヘルニアの手術をしたダックスフンドのWちゃん

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患者紹介

ミニチュアダックスフンド、15歳、避妊雌、体重5.0 kg
1ヶ月前からの進行性両後肢不全麻痺を主訴に来院されました。

  • 歩行不可能な両後肢不全麻痺

診断

  • 神経学的検査

歩行不可能な両後肢不全麻痺でしたが両後肢と尾の深部痛覚は温存されており、手術による改善が期待できました。

  • 脊髄造影・CT検査

T13-L1椎間に脊髄圧迫が認められ、脊髄造影CT検査では圧迫部位や程度がよく確認できる。

  • 脊髄造影検査。T13-L1椎間で造影剤の背側ラインが薄くなっている。
  • 脊髄造影CT検査。T13-L1椎間の圧迫病変が明瞭に描出されている。

治療

T13-L1椎間に対する左側片側椎弓切除術と、胸腰部椎間板ヘルニア好発部位のT11-12椎間からL2-3椎間に対して予防的造窓術を行いました。

術後経過

術後2週間で歩行可能となり、術後1年検診では元気に歩く姿を見せてくれました。

  • 術後1年の歩様。ふらつきはほとんど見られない。

メッセージ

高齢動物でも、椎間板ヘルニアの手術で元気に歩けるようになることが期待できます。一部の飼い主さんは高齢であることを理由に治療をためらったりあきらめたりすることがありますが、適切な術前評価、手術、術後管理のもと高齢犬であっても手術によって良好に回復する症例はたくさんいます。年齢のみを手術の判断基準とはせず、個々の健康状態や神経学的所見を踏まえて慎重に評価し最適な治療方針を提案しますので、年齢的に手術が難しいかもしれないと心配されている場合にはぜひご相談ください。

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