日本小動物外科専門医のいる動物病院
12歳、トイプードル、雌
右肩関節の脱臼と整復を繰り返しているとの主訴で来院されました。

右前肢を間欠的に挙上して歩行していました。
左右肩関節の不安定性および右肩甲部の筋萎縮が認められました。
麻酔下で触診したところ、右肩関節の内方脱臼が認められました。


低侵襲の脱臼制動ピンによる外科治療を実施しましたが、術後に再脱臼したため肩関節固定を実施することとしました。
設置していた脱臼制動ピンを抜去し、上腕骨頭の骨切りおよび肩甲骨関節窩の軟骨を除去した上で、肩甲骨と上腕骨の軸が110°になるようにSOPプレートを用いて固定しました。



術後3日目から患肢を使用し始め、退院時にはしっかりと負重して歩行できていました。
肩関節脱臼には複数の治療方法があり、患者の年齢、サイズ、関節の形状、脱臼の方向、変形性関節症(DJD)の程度などを考慮して術式を決定します。高齢の小型犬に比較的多く認められる肩関節内方脱臼では、低侵襲な脱臼制動ピンによる治療で良好な予後が得られる症例が多くみられます。一方で、潜在的なDJDの存在や軽微な外傷により術後に再脱臼する症例もあり、そのような場合には肩関節固定術が適応となります。肩関節そのものを固定するため本来の可動性は失われますが、肩甲骨、肘関節および手根関節の動きによって患肢の運動機能がある程度補われるため、日常生活に大きな支障をきたさないほどの改善が期待できます。
肩関節脱臼についてお悩みの飼い主様は、ぜひ当院までお問い合わせください。