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脊髄くも膜憩室(Spinal Arachnoid Diverticula: SAD)

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脊髄くも膜憩室とは

脊髄を包んでいる3つの膜(内側から軟膜、くも膜、硬膜)のうち、くも膜の一部が膨らみ内部に液体(脳脊髄液)が貯留する病態です。

原因

原因は様々ですが、先天性もしくは後天性に生じることが知られており、後天性の場合は他の病態(椎間板疾患、脊椎奇形、脊髄の外傷や炎症性疾患など)から二次的に生じると考えられています。

症状

形成された憩室が大きくなってくると脊髄が圧迫され様々な神経症状を引き起こします。初期症状としては、脊椎周囲の痛み、尿/便失禁、前肢や後肢のふらつきなどが見られることが多く、重症な場合、起立困難になり麻痺症状が認められることがあります。

診断

基本的に脊髄造影検査、CT検査やMRI検査で行われます。

  • 脊髄造影検査

造影剤(レントゲン検査で白く見える)がくも膜憩室内に満たされ、白く描出されているのがわかります。涙滴所見(tear-drop appearance)とも表現されることもあります。

治療

外科的治療が主に実施されており、くも膜憩室形成部位の「脊髄減圧術」と「くも膜憩室の切開」(中に貯留している液体の排液)および「造袋術」(切開部位を放射線状に縫う)が実施されますが、術後に再発する割合が高い(約3割)と報告されています。

次に紹介するはなちゃんと同様に椎体固定術を実施した他の症例における成果は、2017年 日本獣医麻酔外科学会にて報告し、2018年 米国動物病院協会の公式ジャーナル Journal of the American Animal Hospital Association に掲載されることが決定しました。この研究により椎体固定術がくも膜憩室症例の一部で再発防止に有用である可能性を世界で初めて示唆することができました。

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