日本小動物外科専門医のいる動物病院
マンチカン、10歳、雄
四肢の運動失調と不全麻痺、右頭位回旋が見られ、頭蓋内病変を疑い後日頭部MRI検査を行うこととなりました。
MRI検査では右頭頂葉から側頭葉にかけ巨大な腫瘤性病変が確認でき、Dural tail signなどの所見より硬膜内髄外の脳腫瘍が疑われました。また、腫瘤によって脳圧が亢進している様子やそれに伴う中心性テント切痕ヘルニアや大脳鎌下ヘルニア、小脳扁桃ヘルニア、脊髄空洞症なども見られ極めて危険な状態であることがわかりました。
画像センターでMRI検査を終え当院へ戻った時には意識状態が低下しており緊急的に治療を行うこととなりました。
脳腫瘍摘出のため開頭手術を行いました。
腫瘤は病理検査により髄膜腫と診断されました。
術後翌日より意識状態や活動性の改善が見られ、術後5日で元気に退院しました。
猫の髄膜腫では腫瘍と周囲組織との境界が明瞭であることが多く比較的容易かつ完全切除に近い摘出ができる場合があります、Kちゃんにも良好な予後が期待できます。