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胸腰部椎間板ヘルニアの手術をしたフレンチブルドッグBちゃん

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患者紹介

フレンチブルドッグ、3歳、避妊雌、体重10.3 kg
来院前日に急性発症した進行性両後肢完全麻痺を主訴に来院されました。

診断

  • 歩様検査
  • 両後肢は完全に麻痺し、前肢を使って歩いていました。
  • 神経学的検査

胸腰部の脊椎痛が認められ、両後肢の姿勢反応は消失、膝蓋腱反射および屈曲反射は正常でした。深部痛覚は両後肢・尾の全てにおいて正常に認められました。
前肢の神経学的異常は認められませんでした。

  • 第7-8胸椎において椎骨奇形を認めた

以上の検査から、胸腰部脊髄障害のグレード4aと診断しました。
確定診断のため、脊髄造影検査および脊髄造影CT検査を実施しました。

  • 脊髄造影X線検査
  • 脊髄造影CT検査

脊髄造影検査の結果、T11-L3椎間における広範囲の脊髄圧迫病変を認めました。
脊椎の不安定性は認められませんでした。

治療

T11-L3椎間に対する左側片側椎弓切除術を実施し、併せて同椎間に対する予防的造窓術を実施しました。

  • 術中写真

術後経過

入院中は排尿介助をしながらリハビリを実施し、術後9日目の退院後もご自宅でのリハビリおよび排尿介助を継続していただいていました。
術後16日目に抜糸のため来院された時にはふらつきながらも歩行できており、排尿介助も必要なくなっていました。

  • 術後1ヶ月
  • 術後1ヶ月目の歩様

健診のため来院されました。後肢のふらつきはまだ残るものの元気に歩いていました。

  • 術後7ヶ月

健診のため来院されました。後肢のふらつきに改善がみられており、経過は良好でした。

コメント

椎間板疾患は病状進行の予測が難しく、急速に悪化し回復のチャンスを逃してしまう恐れがあります。特に深部痛覚を完全に消失したグレード5の症例では、深部痛覚が消失していない症例と比較して歩行機能の回復率が極端に低下します。
また、深部痛覚を消失したフレンチブルドッグの椎間板ヘルニアでは進行性脊髄軟化症の発症率と術後回復率がそれぞれ33%であり、ダックスフンドと比較して軟化症発症率が高く術後回復率が低いことがわかっており(Aikawa, et, al. Veterinary Surgery 2014 PMID: 24433331)、フレンチブルドッグの椎間板ヘルニアは重症化する前に外科治療を行うことが重要です。

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