日本小動物外科専門医のいる動物病院
慢性的な排便障害により結腸が重度に膨張した状態を巨大結腸症(Megacolon)と言います。
巨大結腸症には、結腸自体の機能障害による原発性(特発性)巨大結腸症と、骨盤腔狭窄などの原因疾患によって二次的に生じる続発性巨大結腸症があります。
続発性巨大結腸症の原因
骨盤骨折、骨盤狭窄、会陰ヘルニア、術後合併症(結腸固定術や卵巣子宮摘出術など)、神経障害、マンクス猫の仙髄奇形、腫瘍など
便秘(constipation)やしぶりが認められ、重症例では排便困難(obstipation)になります。排便障害が続くと食欲不振、嘔吐、活動性の低下、虚弱、無気力、毛並み毛艶が悪くなる、体重減少などの慢性的な症状が現れます。
触診で膨張した結腸が触知でき、直腸検査では大量の糞貯留や狭窄した骨盤が触れることがあります。腹部レントゲン側方像で結腸径がL7椎体長の1.5倍以上で巨大結腸症と判定します。骨折、奇形、腫瘍などによる骨盤狭窄を評価し、必要に応じて超音波検査やCT検査を追加します。原発性巨大結腸症では巨大結腸症の原因となるような画像上の異常所見は認められません。