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頸椎の先天性奇形を伴う頚部椎間板ヘルニアを治療したカキちゃん

  1. 専門分野
  2. 脳神経外科
  3. 先天性椎骨奇形
  4. 頸椎の先天性奇形を伴う頚部椎間板ヘルニアを治療したフレンチブルドッグ カキちゃん

Keyword:椎体奇形、椎体不安定症、ベントラル・スロット、椎体固定術、軟口蓋過長

患者紹介

フレンチブルドッグ、6歳、去勢雄、体重11.3kg
元気消失、ギャンギャン鳴くくらいどこか痛がる様子、右前肢の挙上を主訴に来院されました。

診断

頸部痛および間欠的な右前肢跛行を認めました。また、軽度から中程度の上部気道閉塞音を認めました。
X線検査では、第3, 4頸椎奇形による側湾症および変形性脊椎症を認めました。
 
頸椎不安定症頸椎椎間板ヘルニア、骨腫瘍などを疑い、脊髄造影検査と脊髄造影CT検査を行いました。

  • 第3, 4頸椎の椎体奇形による側湾症と変形性脊椎症
  • 脊髄造影検査

第4-5頸椎間における腹側からの脊髄圧迫を認めました(左から中立位、屈曲位、伸展位、牽引をした Dynamic study)。

  • 脊髄造影CT検査
  • 矢状断像:第4-5頸椎間における腹側からの脊髄圧迫と第3, 4頸椎における椎体奇形および変形性脊椎症
  • 第4-5頸椎間横断像:腹側からの脊髄圧迫

CT検査にて明らかな骨腫瘍は認められず、脊髄造影検査および脊髄造影CT検査にて第4-5頸椎間の脊髄圧迫を認めたことから、頸部椎間板ヘルニアと診断しました。
 
頸椎に先天性奇形を認めることは珍しく、変形性脊椎症を発症していることから、頸椎の奇形に伴う椎体不安定症が病因の一つと考えられました。

治療

第4-5頸椎間に対し腹側減圧術(ベントラル・スロット)および椎体固定術を実施しました。

  • 術後X線検査
  • ポジティブスレッドピンおよびPMMAを用いて椎体固定を実施

続いて、軟口蓋過長に対し切除を行いました。

  • 過長軟口蓋の切除前
  • 切除後

術後経過

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