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頚部椎間板ヘルニアに関連した脊髄動的圧迫/脊椎不安定症のチワワAちゃん

  1. 専門分野
  2. 脳神経外科
  3. 頸部椎間板ヘルニア
  4. 頚部椎間板ヘルニアに関連した脊髄動的圧迫/脊椎不安定症のチワワAちゃん

患者紹介

チワワ、13歳、去勢オス
2週間前より認められる進行性の四肢不全麻痺を主訴とし、ホームドクターでMRI検査を実施したところ頚椎に多発性の脊髄圧迫所見を認め、手術の相談のため当院に来院しました。

診断

  • 神経学的検査

自力での起立・歩行は不可能で、四肢の姿勢反応は消失、脊髄反射は四肢でいずれも正常でした。頸部脊髄障害の神経学的グレード3と評価しました。

  • 四肢の不全麻痺があり、支えがないと起立維持ができない
  • MRI検査
  • C3-4-5-6-7椎間で多発性脊髄圧迫所見が認められる

※椎間板疾患の画像検査についてのQ&A

責任病変の確定と脊髄動的病変の評価のため脊髄造影ダイナミック検査と脊髄造影CT検査を行いました。

  • 脊髄造影CT検査
  • C4-5椎間で重度、C5-6椎間で中等度、C3-4およびC6-7椎間で軽度の椎間板ヘルニアが認められる
  • 脊髄造影ダイナミック検査
  • 伸展時に悪化し牽引時に消失する牽引反応性の脊髄動的圧迫がC3-4椎間に認められる

治療

C3-4-5-6椎間のベントラルスロット術とC3-4椎間の脊椎固定術を計画しました。術中の操作でC4-5およびC5-6椎間の不安定性が認められたため、同椎間の脊椎固定術も行いました。

  • ベントラルスロットおよび脊椎固定術により脊髄圧迫が解除されている

術後経過

手術からしばらくは歩行できない状態が続きましたが、飼い主様の献身的なリハビリの甲斐もあり、手術から2ヶ月後には元気に歩くことができるまで回復しました。

  • 術後1ヶ月。起立や歩行はできないが、横臥から座位になることはできる
  • 術後2ヶ月。自力歩行が可能になりふらつきはほとんど認められない

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